「お水取り」として知られている東大寺の修二会は、十一面悔過法(じゅういちめんけかほう)だが、8世紀半ばからの悔過作法だけでなくその後に古密教や神道や修験道民間習俗や外来の要素まで加えて大規模で多面的なものとして行われている。
伝説では、『二月堂縁起絵巻』(天文14年1545年)によると、天平勝宝3年(751年)東大寺の開山、良弁の弟子の実忠が笠置山で修行中に、竜穴を見つけ入ると、天人の住む天界(兜率天)に至り、そこにある常念観音院で天人たちが十一面観音の悔過を行ずるのを見て、これを下界でも行いたいと願った。しかし兜率天の一日は人間界の四百年にあたるので到底追いつかないと天人の1人に言われた。それで、少しでも兜率天のペースに合わせようと走って行を行うと念願したという。
東大寺「お水取り」始まる 奈良、たいまつの炎舞う
https://youtu.be/5vhJfhJ-zV4
奈良市の東大寺二月堂で1日、「お水取り」の名で知られる伝統の仏教修行「修二会(しゅにえ)」の本行が始まった。
お堂の舞台からたいまつの火の粉が舞い散り、堂の下に集まった大勢の参拝客から歓声が上がった。